公表試験問題(エイジフレンドリーガイドライン)
今回、公表されました衛生管理者の試験問題のうち第1種の問30、第2種の問16は初見であり、
「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」(エイジフレンドリーガイドライン) からの出題でした。
以下が解答要領です。
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(問題) 厚生労働省の「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
(1)経営トップ自らが、高齢者労働災害防止対策に取り組む姿勢を示し、企業全体の安全意識を高めるため、高齢者労働災害防止対策に関する事項を盛り込んだ安全衛生方針を表明する。
(2)高齢者労働災害防止対策には、事業場全体で取り組むことが重要であることから、対策を推進するための特定の部署や担当者を指定することは避けるようにする。
(3)身体機能が低下した高年齢労働者であっても安全に働き続けることができるよう、事業場の施設、設備、装置等の改善を行うが、危険を知らせるための警報は、年齢によらず聞き取りやすい高音域の音を採用するとよい。
(4)高年齢労働者が自らの身体機能の維持向上に取り組めるよう、高年齢労働者を対象とした体力チェックを継続的に行うことが望ましいが、個々の労働者に対する不利益につながるおそれがあることから、体力チェックの評価基準は設けないようにする。
(5)高年齢労働者は、十分な経験を有しているため、改めて安全衛生教育を行うことは高年齢労働者の自尊心を損なうおそれがあるばかりでなく、長時間にわたり教育を行うことは身体面の負担が大きいことから、最小限の時間と内容で行うことが望ましい。
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【解答】
(1)〇
経営トップ自らが、高齢者労働災害防止対策に取り組む姿勢を示し、企業全体の安全意識を高めるため、高齢者労働災害防止対策に関する事項を盛り込んだ安全衛生方針を表明すること。
(2)×
安全衛生方針に基づき、高齢者労働災害防止対策に取り組む組織や担当者を指定する等により、高齢者労働災害防止対策の実施体制を明確化すること。
(3)×
警報音等は、年齢によらず聞き取りやすい中低音域の音を採用する、音源 の向きを適切に設定する、指向性スピーカーを用いる等の工夫をすること。
(4)×
体力チェックの評価基準を設ける場合は、合理的な水準に設定し、職場環境の改善や高年齢労働者の体力の向上に取り組むことが必要であること。
(5)×
高年齢労働者を対象とした教育においては、作業内容とそのリスクについての理解を得やすくするため、十分な時間をかけ、写真や図、映像等の文字以外の情報も活用すること。中でも、高年齢労働者が、再雇用や再就職等により経験のない業種や業務に従事する場合には、特に丁寧な教育訓練を行うこと。
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【参考】今回、出題はありませんでしたが、フレイルやロコモティブシンドロームは重要キーワードです。詳細は下記のとおりですので、覚えておきましょう。
〇高年齢労働者の状況に応じ、フレイルやロコモティブシンドロームについても考慮する必要があります。
なお、フレイルとは、加齢とともに、筋力や認知機能等の心身の活力が低下し、生活機能障害や要介護状態等の危険性が高くなった状態であり、ロコモティブシンドロームとは、年齢とともに骨や関節、筋肉等運動器の衰えが原因で「立つ」、「歩く」といった機能している(移動機能)が低下している状態のことをいいます。